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和の香りの形態/ 各種お香

和の香りの形態には様々な種類がありますが、その全体像はあまり知られていません。私たちに最も身近なものはお線香ではないでしょうか。そのお線香は和の香りの中でも最も新しい形なのです。

塗香(ずこう)


極品塗香 10g 840円(税込)

各種香料を細かくしてふるいにかけ、おしろい粉のように粉末状にしたものです。最も古いお香のひとつで、インドでは日本へ伝わる前から暑さしのぎや、熱さましのために体にすり込んだりしていました。

仏教、特に密教系では壇や行者の体にすりこむみ、穢れを祓う際に用います。現在でも寺院の本堂の入り口には塗香がおいてあり、参拝者は両手にすり込んでから参拝するという習慣があります。各社秘伝の調合で作られた塗香は数百円からあり、おきよめのほか、趣味の香りやデオドラントパウダーとして使用することができます。


塗香入 黒檀 3675円

材質は黒檀のほか紫檀などもあります。中央の栓を抜くと、ほんの少量の塗香が出るしくみなっています。
密教系の塗香器は息災、増益、降伏などの修法により、その取っ手の形が異なります。

抹香

細かい粉末状のお香(椨=タブ、タブの木の樹皮を粉末にしたもので線香の糊材としても使う)で、古くは玄関先や仏像などに散布してお清めとしていました。現在は焼香の火種として使用されています。香炉に抹香をのせて着火しておき、その上に焼香をのせて焚く方法です。沈香等の燃えにくいものにはとても有効です。抹香に予め白檀などのチップがブレンドされているものもあり、着火するだけでよい香りがします。

「抹香臭い」と言うことがありますが、これは割りと歴史の浅い言葉です。戦前戦後、物不足の時には、舶来品の香原料は手に入りませんでした。そこで、お香プレンドの抹香もなし、その上で焚くお香もないままで抹香を焚いたので、木の焦げる匂いしかしなかったのです。そんなことから、お寺のイメージのひとつに「抹香臭い」が加わってしまったのでしょう。

煉香


鳩居堂製 練香 坐雲 壺入 22g入 2310円

奈良時代に日本へ渡来した鑑真和上は、仏典や医術のほか、多くの漢方香料とその「合香の術」、すなわちブレンド法ももたらしました。煉香(練香)とは沈香をベースに各種香料、炭、はちみつ等を加え、練り固めた小さな黒い丸薬状のお香です。できあがってから半年ほど熟成させた方がまろやかな香りになります。昔は甕に入れて土の中に埋めました。直火ではなく、間接的に暖めて香らせます

当時は「薫物(たきもの)」と呼ばれ、のちには「平安王朝の香り」とも称され、公家、貴族はこぞって自分の香りを自ら手作りしました。光源氏も『源氏物語』のなかで、お香について言及しているシーンがありますが、それはこの練香のことです。
また、四季折々の感性を映し出した「六種の薫物(むくさのたきもの)」と呼ばれる香り作りが盛んになりました。

匂い袋


【ほのかなお香の香りを飾る】創作匂袋 春 御所桜
2100円

細かくした各種香料を調合し、布や和紙に詰めて携帯することによって香り付けしたり、たんすに入れて防虫などに用います。熱を加えず、常温での香りを楽しみます。調合の際には、数ヵ月後の香りも想定します。平安貴族は「香袋」として、腰や帯に付けていました。現代人は「防虫香」としての馴染みが深く、虫食いから衣類を守る上に、ほんのりとした移り香にホッとさせられます。

正倉院には「被衣香(えびこう)」という、一般の匂い袋よりも粒子の細かいものが残されています。このようなことからも匂い袋の歴史は古いことがわかります。
その後の武家の社会では、各大名の心得として「追風用意おいかぜようい」を袂に入れていたといいます。

現在は残念ながら伝統的な調合の匂い袋はあまり出回っていません。


【ほのかなお香の香りを楽しむ】花京香
携帯ストラップ 10月



【お手紙に香りを添えて】花京香 文香10月
約2個入り 315円

現代版香袋は携帯ストラップにも変身です。お手紙に添える文香はなかなかおしゃれな演出ができます。その他、部屋に掛ける「掛袋」という大きい香袋もあり、訶梨どくという、邪気を祓うとされる東南アジアの落葉樹をかたどったタイプもあります。

焼香


【お香】焼香 小箱入 崇徳印 25g入
 2100円 

告別式や法要の際、仏前で焚く刻み状のお香です。焚いたときによい香りとなる香料を選んで調合し、五種香、七種香、十種香があります。仏事として古くは焼香、現在はより使いやすい線香が一般家庭で普及したと考えてよいでしょう。値段はお手軽なものから高額なものまであります。香合に自分の焼香を入れて、参列されてもよいでしょう。

香木



【香木 沈香】沈梗 刻 1g 1260円

香りのするすべての木を香木を称しますが、お香の世界で香木といえば、沈香、白檀を指します。単独でもすばらしい香りがするため、基本的に沈香、伽羅のみを焚く香道も発達しました。伽羅は沈香の最上級のものです。昔から金・銀・香木と言われるほど貴重なもので、権威の象徴としてもみなされていました。
近年、沈香、白檀の採取量は激減しているため、価格も急騰しています。貴重な資源のため、沈香をフリーズドライして少ない量でも使用できるよう、研究も進んでいます。

線香・印香


山田松香木店白檀の香りのお線香 華洛 1050円

私たちの生活に一番浸透している線香は、16世紀の中国で発達し、日本へはその当時、もしくは江戸時代初期に渡ってきたとされています。各種香料を調合し、タブ粉を混ぜ、炭などを入れて押し出してスティック状、コーン状などに成型します。インドなどでは竹芯の周りに線香をまとわせるタイプがありますが、竹の焦げる匂いが繊細な日本人の嗅覚には合わず、芯を使わないものがjapanese styleと言われています。


【松栄堂製お香】源氏かおり抄徳用紅梅 1575円

花や木、扇、打ち出の小槌など様々な形に成型されたお香です。各種香料とふのり等を調合し、型押しして仕上げます。直火ではなく、煉香と同様、暖めて使用します。目にも美しく、かわいらしいお香でもあります。

インセンス


【爽やかな香水系のお香】鳩居堂 ハーブの香り ラベンダー スティック型

ここでは、天然香料だけではなく、合成香料を使用したお線香をインセンスと証することにしています。 アロマテラピーの影響も受け、花の香りやカラフルな現代的な線香つくりが盛んになっています。本来は煙が邪気を祓う意味合いがあるのですが、趣味の線香として、煙のないタイプも発達しています。


お香入浴剤 チョウジ湯 医薬部外品 210円

丁子湯は昔からお坊さんが体を清めるために使っているそうです。現代では、家庭でも気軽に楽しめるお香のお風呂やお香石鹸 など、さまざまなタイプが開発されています。

その他

加持香水
お香を煮沸してつくった水、または香を入れた清浄な水。この香水(こうずい)を加持した後、行者自身、法具、道場に振りまいて清め、煩悩や妄執を断ち切っていく作法を加地香水と呼びます。ご本尊や修法によって用いるお香は異なり、お香の代わりに花をもちいることもあります。

ミニコラム

「二十種物」

密教の各種修法や灌頂などのときに用いる。 地上の宝、香、薬、穀物の代表

五宝:金・銀・瑠璃・真珠・琥珀

五香:沈香・白檀・龍脳・丁子
ウコン

五薬:赤箭・人参・茯苓・石菖蒲
天門冬

五穀:稲・大麦・小麦・小豆・胡麻

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